皇帝別館

鏑木しずき

鏑木しずき

(20)

T166 B88(E) W58 H85

長身グラマー極上ボディ美女

16:00 ~ 24:00

  • 割引攻略

オゴトガイド見たとお電話ください!

電話 077-579-2130

営業時間 10:00~24:00

  • 02/18 21:56

    どろり🍼

    ※練乳です

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  • 02/18 12:02

    梅雨の苗②

    6月のあるとき、突然おれの携帯が短く鳴った。 ただのメールの通知音。普段なら後回しにするのだけれど、その時なんだか無性に嫌な予感がしたのでメールを開封してみた。 『会いたい。倉島駅、西改札口』 早苗からだった。 メールアドレスは交換していたが、メールが届くのは初めてだった。 倉島駅は最寄り駅ではなかったが、自転車なら15分で着く場所だ。なにより、気になっていた女子から「会いたい」と言われたのが嬉しすぎて、期末考査の課題を放り出してチャリに飛び乗った。小雨がぱらついていた。 西改札口のバス停近くで、早苗は柱に凭れて待っていた。傘は持っていなかったが、濡れている様子もない。ついさっき駅についたようだ。 「早苗ちゃん」 おれは自転車を置いて近づいた。 すると早苗は顔を上げておれを確認するなり、突然無言で抱きついてきた。 「さ、なえちゃ......!?」 慌てて引き離そうと肩に手をかけるおれ、我に返ったように慌てて離れる早苗。 「ごめんね、つい」 「つい、はいいんだけどさ......どうしちゃったんだよ、一体」 「......なにも聞かないで。ついてきて」 そのまま足早に北のロータリー方向へと歩いていく早苗。おれも慌てて自転車のスタンドを上げた。 たどり着いたのはオートロックのマンション。 「なあ、ここ早苗ちゃんの家?なんでいきなり......怒られねぇの?勝手に人なんか上げて......」 「そこにチャリ停めて。いいよ誰もいないから」 「お、おう......」 正直、何も期待していなかったと言えば嘘になる。けれど、当時は期待なんかより、なにも話してくれない早苗への不安とただならぬ状況への緊張が完全に勝っていた。 そんなおれを、早苗は自室の玄関へ導いた。 先に扉の内側に滑り込んだ早苗に続いて、遠慮がちに部屋に入る。すると早苗は、扉が閉まるなり靴を脱ぐのも待たずおれに詰め寄り、肩を玄関の扉に押し付けておれの唇を奪った。 「さなっ......」 声をあげようと小さく開いたその隙間から舌が侵入してくる。 容赦なく口内を犯されながら、ふと目が合った早苗は泣いていた。 完全に何が起こったかわからなくなって思考が停止し、おれはただひたすらやられるままになった。頭が真っ白になる。泣きたいのはこっちだ。一体全体どうなってやがる。 気になる女の子にキスをされているというのに、幸福感などはすっかり疑問符に覆い被さられてしまっていた。 彼女の唇は首筋へと降りてゆき、やがて噛みつくように鎖骨を貪る。そこでようやくハッと我に返ったおれは、早苗の頭をつかんで無理矢理引き剥がした。 「早苗ちゃん......?マジで大丈夫かよ、ほんと、説明してくれ」 「日下くん、ごめん。ほんとごめんね。ごめん、ごめん......」 「いや、ごめんじゃなくてさ......落ち着こ、一旦落ち着こう、な」 玄関先でしゃがみこんですすり泣いている早苗を部屋の奥のソファへ誘導し、とりあえずとなりに座って背中を撫でてやった。 なかなか泣き止まなかったが、しばらくしてようやく顔を上げて目を合わせてくれた。 「......ごめん、何も言いたくないの。辛いことがあって......でも、日下くんじゃなきゃダメだった」 「少しでも......」 「ごめん」 こんなにもはっきりと断られてしまったら、もう何も言えなくなる。おれもようやく落ち着きを僅かに取り戻し、冷静に早苗と向き合えるようになってきた。 「そっか。......俺に何ができる?」 「......ぎゅってして」 おれはそっと彼女を抱き寄せ、頭を撫でた。柔らかい髪の感触が、おれに母性に近い慈愛をもたらした。そのまま軽くキスを降らせながら、ソファに押し倒す。早苗は抗わなかった。 無言の時間。強くなった雨と、唾液を飲み込む音だけが変に大きく聞こえた。 . おれは迷って、迷った末に、カードと封筒とをくずかごに捨てた。 友人達はぶつくさ文句を言うだろうが、あとから奢って埋め合わせしてやれば問題あるまい。 おれは、早苗が来ないことを分かっていた。ひとつ上だから、ではない。『9つ下』だからだ。 . 夏休み明け。 おれの前の席には、透くように白い、百合の花が生けられていた。 驚かなかった。なんとなく予感していたような気がした。いや、早苗自身が教えてくれていた気がした。 彼女の死後になってようやく、風の噂で「高2のときにばい春で堕胎し休学していたらしい」と聞いた。 「日下くんじゃなきゃダメだった」 あれは彼女の本心だったのだろうか? あの日、お互い示し合わせたように「好き」とだけは絶対に言わなかった。 言ってはいけないと、本能で悟っていた。 あの日の彼女の目。その目に宿った感情の是非を、まだ理解することができていない。オトナになっても、大人になっても、未だに。ずっと。

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