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07/21 09:30
お星さまの街
人は社会に生きている。
会社や学校、組織という盤上で、それぞれ役割を持ち、期待され、評価される。
盤の上には秩序があり、安全がある。
生活を支える仕組みがある。
だから盤そのものを否定することはできない。
しかし、盤にはもう一つの性質がある。
盤は、役に立つかどうかでしか駒を見ない。
動けば価値がある。止まれば交換される。
逆向きに回れば異物になる。
それは仕組みとして当然なのかもしれない。
問題は、その価値観を人間自身まで信じ込んでしまうことだ。
お星さまの街 が問いかけるもの
お星さまの街 には、お金も、生産性も、効率もない。あるのは、星を見上げる時間だけ。
現実から見ればそれは何の役にも立たない。
人間は役に立つものだけでは生きられない。もし役に立つことだけが人生なら、
芸術はいらない。音楽もいらない。
小説も、恋もいらない。
夜空もいらない。
けれど私たちはそれらを必要としてしまう。
なぜなら、人間は生き延びるためだけに生まれた存在ではないからだ。
星は何を象徴しているのか
私は、星とは希望だけではないと思う。
星とは、役に立たないけれど、自分を人間にしてくれるものの象徴なのだと思う。
本を読んで泣くこと。絵を見て言葉を失うこと。好きな人を思うこと。
夜にふと散歩したくなること。
雨の日が好きだと感じること。
人生について考え込むこと。
どれも生活には必要ない。
でも人間には必要だ。
星が消えたのではない。星を見る心が失われてしまった。
という言葉は、とても残酷で、そして優しい。
駒はいつ星を見なくなるのか
所詮私たちは駒なのかもしれない。
この言葉は間違っていない。
組織から見れば、人は役割を果たす存在だ。
けれど駒であることと、駒としてしか生きられないことは違う。
本当に怖いのは駒として働くことではなく、駒としてしか自分を見られなくなること。
今日はどれだけ成果を出したか。
私は役に立ったか。必要とされているか。
その問いだけで自分を測るようになった瞬間、人は少しずつ星を見上げなくなる。
大人になるということ
お星さまの街 は、大人を否定していない。
現実は厳しい。働かなければ生きていけない。責任もある。
だから盤の上で生きることは避けられない。
でも大人になることと、夢を捨てることは同じではない。
現実を見ることと、星を見なくなることも同じではない。
本当の大人とは、現実を知りながら、
それでも夜空を見上げられる人なのかもしれない。
盤は利用するもの
盤上はある程度の安全は保証されているから、仕組みそのものは利用すべきかな
社会は敵ではない。組織も悪ではない。
生活を守るためには必要な仕組みだ。
だから利用すればいい。
でも自分の価値まで預けてはいけない。
盤は生活を守る場所。人生そのものではない。もし盤の外に何も持っていなければ、
盤を失った瞬間、自分まで失ってしまう。
だから本を読む。芸術に触れる。
好きな人と笑う。夜空を見る。
何気ない雨の日を好きだと思う。
そういう時間は盤の外にあるもう一つの人生 を育ててくれる。
役に立たないものが人を支える
社会は、役に立つことを評価する。
でも人を最後まで支えるのは、
案外、役に立たないものだったりする。
亡くなる直前に思い出すのは、売上や肩書きではなく、誰かと見た星空だったり、
愛された記憶だったりする。
役に立たないものを切り捨てた瞬間、人は人間であることまで失ってしまう
人は盤の上で働き、現実を生きる。
それは必要なことだ。
でもその現実だけで自分を定義してしまえば、人はいつか星を見失う。
だから必要なのは、盤を降りることではない。
盤を利用しながら、心のどこかにお星さまの街 を持ち続けること。
そこは成果も評価も届かない場所。
誰にも奪われない、自分だけの世界。
一見すると何の役にも立たないことこそが、人間をただの駒ではなく、一人の人間として生かし続ける。
あなたは最近、星を見上げましたか。
鳳条 暦
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