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06/07 09:15
6月
自分がイランの立場であれば、核能力の保持は絶対に譲れない。
なぜなら現代の国際政治において、核能力は単なる軍事力ではなく、国家の生存保険に近いからだ。ウクライナ戦争を見ても、ベネズエラへの圧力を見ても、核を持たない国の運命は大国の判断に左右されるという現実が積み重なっている。
その意味でイランにとって濃縮ウランを国外へ搬出することは、単なる技術的譲歩ではない。文字通り城の堀を自ら埋める行為に近い。一度それを手放してしまえば、その後の安全保障は相手の善意に依存することになる。イランからすればそれはあまりにも危うい。
ではホルムズ海峡はどうか。
ホルムズ海峡の封鎖、あるいはその管理権をめぐる駆け引きはイランにとって極めて大きな交渉材料になる。ホルムズは世界のエネルギー市場に直結する要衝であり、そこが不安定になれば原油価格や物価に大きな影響が出る。実際現在の米イラン交渉でも、ホルムズ海峡の再開や航行の自由は重要な争点になっている。?
つまりイランがホルムズの状況を左右できる限り、世界経済の一部はイランの判断次第になる。これは核能力の維持や制裁解除を米国に認めさせるための最も強力なレバレッジだ。
だから自分がイランの立場であれば、核能力もホルムズでの影響力も、簡単には手放さない。可能であればホルムズに対する実質的な管理権と核能力の維持を同時に狙う。
もしホルムズで譲歩し、海峡管理を諦めるのであれば、その代わりに最低でも核能力の保持、安全保障の保証、制裁解除の明確な約束が必要になる。
問題は米国がそれを受け入れられるかどうかだ。
米国が最終的に受け入れる可能性はある。だがそれは米国から見れば、イランの要求を事実上認めることになる。つまり米国にとっては外交的な敗北に近い。
だからこそ米国がその条件を飲むには、国内の議会や関係者を説得できるだけの前段階が必要になる。つまりこの条件を飲まなければ世界経済もエネルギー市場もさらに混乱するという現実の出来事が必要になる。
イランにとっての交渉とは譲歩ではなく、生存条件の再定義なのだと思う。
?
イランは非合理な悪役ではないのでは。
西側目線ではなぜ核を手放さないのか、なぜホルムズを脅しに使うのかと見えるけれど、イラン側からすればこれはかなり合理的。
特にIAEA(国際原子力機関)は、イランの濃縮活動や在庫の検証について十分な情報を得られていないと報告しており、英仏独もイランの60%濃縮ウラン保有を強く問題視している。つまり核問題はすでに象徴ではなく、実質的な交渉カードになっている。?
核能力の保持と核兵器の保有は分けた方がいい。
イランが本当に欲しいのはすぐに核兵器を使うことではなく、たぶんいつでも作れるかもしれないと思わせる曖昧な能力。これがあるだけで相手は攻撃や体制転換を簡単には選べなくなる。
もう一つはホルムズ封鎖は強力だけど、長く続けるほどイラン自身にも返り血が来るということ。原油市場を揺らせる一方で、米国や湾岸諸国、欧州、中国まで敵に回すリスクがある。だからイランにとってホルムズは本当に閉じ続けるためのカードというより、閉じる可能性をちらつかせるためのカードに近いと思う。
イランにとって核は最後の保険であり、ホルムズは交渉の刃である。
保険を手放せば生存を他国に委ねることになり、刃を捨てれば交渉力を失う。
だからイランは、どちらも簡単には放棄できない。
正義と生存
鳳条 暦
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