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08/03 09:45
海を見たいと思う心
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海を見に行く人は、海を見たいわけじゃない気がする。海は、ただそこにある。
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波は誰かのために寄せては返すわけでもなく、水平線は何かを語るわけでもない。それでも、人は疲れたときや迷ったとき、嬉しいことがあったときでさえ、海へ向かう。
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ハーマン・メルヴィルはこう言った。
「海、それは自分の心をありのまま映し出す鏡だ。」
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同じ景色を見ても、美しいと思う日もあれば、寂しいと思う日もある。穏やかだと感じる日もあれば、果てしなく遠く感じる日もある。
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変わっているのは海ではない。
その海を見つめる、自分の心だ。
だから私たちは、海を見に行くというより、自分自身に会いに行っているのかもしれない。
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波の音は不思議だ。
何かを教えてくれるわけではないのに、考えごとを少しずつさらっていく。答えを与えるのではなく、「まだ答えを出さなくてもいい」と教えてくれる。
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広い海を前にすると、自分が抱えていた悩みは急に小さく見える。
もちろん、問題がなくなるわけではない。
でも、自分だけが世界の中心ではないと気づける。その小ささは、決して惨めさではなく、心を軽くしてくれる小ささだ。
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だから海へ行く時間は、「何かを決める時間」ではない。
「何も決めなくていい時間」なのだ。
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もう一つ見てしまうものは隣にいる人だ。
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ふと横を見ると、風で前髪を揺らしながら海を眺めるその横顔がある。
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その人は何を考えているのだろう。
波の音に何を預けているのだろう。
私は、その答えを知りたいわけではない。
ただ、その人が静かに海を見つめている姿を見ていたい。
だから本当は、海そのものを見たいわけじゃない。
海が映し出すその人の心を、そして海を見つめるその横顔を見たいのだ。
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海は何も語らない。
けれど、何も語らないからこそ、人は自分の心の声を聞くことができる。
だから今日も誰かは海へ向かう。
景色を見に行くためではない。
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言葉にならない感情を、潮風に預けるために。
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私は実は海のことまだ怖いと思うんです。貴方様は海を見る時何を考えますか?
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鳳条 暦

































