
オゴトガイド見たとお電話ください!
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05/02 17:15
猫はいつも健康なお手本です。
戦闘服を脱ぎ捨てる、という言い方は少し芝居がかっている。けれど、放課後のあの一瞬には確かに「任務終了」の空気が漂っていた。
胸元のリボンを外し、結び目の跡が少しだけ残る。きっちりと束ねられていた髪を解けば、空気を含んで柔らかく広がる。制服はそのままなのに、どこか別の衣装に見えてくるのが不思議だ。スカートの裾をほんの少し折るだけで、規則だったものが自分のものになる。
「さぁ、ここからはパーティーの時間だ」
そんな言葉は誰も口にしないのに、足取りがそう語っている。駅へ向かう背中、笑い声の弾み方、わずかに浮き足立ったリズム。夕暮れの街に溶けていくその集団は、どこか別の世界へと滑り込んでいくようにも見える。
一体どこへ行くのだろう。
決まった目的地など、きっとない。コンビニの前でたむろするかもしれないし、どこかのファストフード店でポテトをつまむだけかもしれない。ただ、どこかへ行く というその行為そのものが、彼女たちにとっては特別なのだ。
妙な衝動に駆られる。
野良猫の跡をつけるように、気づかれない距離を保ちながら、こっそり後を追ってみたくなる。彼女たちがどんな場所にたどり着き、どんな顔で夜を過ごすのか、その断片だけでも覗いてみたくなるのだ。
野良猫がふとした角を曲がって消えてしまうように、あの時間のきらめきは追いかけようとした瞬間に、するりと逃げていく。外側から覗こうとした時点で、それはもう同じものではなくなってしまうのかもしれない。
彼女たちと同じ空気を少しだけ共有しながら。届かない距離のまま、その自由さを想像する。
行き先が曖昧だからこそ、どこへでも行ける。名前のつかない時間だからこそ、何にでもなれる。
あの勇み足の正体は、場所ではなく、まだ形を持たない未来そのもの。
<< 2026年5月

































