
オゴトガイド見たとお電話ください!
電話 050-5448-9022
営業時間 11:00-24:00

05/04 17:01
まだ名前のない感覚
音楽を聴くときは音量をかなり大きくする。
耳を完全にイヤホンで塞いで、外の音を入れないように。
それはただ音楽を楽しむためだけではなくて、
外に向きすぎた自分を、一度自分の中へ戻すための作業なのだと思う。
人と話すとき、学校や仕事の中にいるとき、私の中の矢印はいつも外側へ向いている。
あの人はどう思っているのか。今の言葉は正しかったのか。自問自答と反省会が始まる。
そうやって、知らないうちに自分の感覚を外へ外へと差し出している。気づけば、自分の中心が少し薄くなっている。
音楽を聴く。イヤホンで耳を塞いで音量を上げる。外の世界との境界線をはっきりさせる。
音楽が流れた瞬間、周りへ向いていた矢印はゆっくり自分の内側へ戻ってくる。
誰かのために整えていた表情は少しずつ戻ってくる。
自分へ向く矢印が多いほど、人は内向的になるのかもしれない。外の世界とすぐに馴染めなくなるし、大勢の中で軽やかに笑うことが少し難しくなる。
でもその分、深く考えられる。ひとつの言葉に立ち止まれる。人の表情の奥にある寂しさに気づける。自分の心が揺れた理由を、なかったことにしないでいられる。
内向的であることは、閉じていることではない。世界を拒んでいるわけでもない。
ただ、外に流されすぎないように、自分の中に小さな部屋を持っているということ。
音楽は、その部屋の鍵みたいなもの。
音量を上げるほど、世界から離れていくようで本当は自分に近づいている。耳を塞いでいるのに、心は少しずつ開いていく。
音楽が好き。誰かと繋がるためだけではなく
一度ちゃんと自分に戻るため。
?
鳳条 暦
<< 2026年5月

































