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09/06 19:30
儚い世界で優しく笑って1
大好きな『まどマギ』の新作映画が、現在公開されています。
早く観に行きたい??
今回はアニメの具体的な内容には触れていませんが、その大まかな物語から着想を得て、この文章を書きました。
失いたくない と思えるものがある。
そういうものがあるのは一見すると、とても幸福なことだ。
けれど私たちは何かを手に入れた瞬間、幸福だけを得るわけではない。同時にそれを失う可能性まで手に入れてしまう。
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何も持っていなかった頃には存在しなかった恐怖が、手に入れた途端に生まれる。
若さを自分の価値だと思わなければ、老いていくことにこれほど怯えずに済むのかもしれない。
大切なものが増えるほど人生は豊かになる。
けれど同時に、失うことを恐れる場所も増えていく。
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人生が難しくなるのは、きっとここからなのだと思う。
人は自分のそばに長くあるものを、ただの持ち物 としては見られなくなっていく。
はじめは私が持っているもの だったはずなのにいつの間にか、
「これがあるから、私は私でいられる」
というものへ変わっていく。
だから本当に怖いのは、何かがなくなることだけではない。
それを失ったあとの自分が、誰なのかわからなくなることなのかもしれない。
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例えば、大切な人との別れを想像したとき、私たちは「この人がいなくなるのが怖い」と思う。もちろん、それも本当だ。
けれどその恐怖をもう少し丁寧にほどいてみると、失いたくないものはその人ひとりではないことに気づく。
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誰かを失うということは、その人ひとりが人生から抜け落ちるだけではない。
その人と一緒にいることで存在していた、ひとつの自分まで失うことなのだ。
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だから別れは、あんなにも苦しい。
人をひとり失っただけなのに、世界そのものが少し違って見える。
いつもの駅も、いつもの店も、いつもの曲も、同じ季節さえも、以前と同じ意味を持たなくなる。
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私たちは人を所有していたわけではない。
それでもその人と結びついた自分の世界を、確かに持っていた。
その世界が壊れるから、私たちは必死になる。
離れないでほしい。私を必要としていてほしい。どれも、愛する人に抱く自然な願いだ。
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けれどその願いを突き詰めていくと、少し怖い場所へ辿り着く。
あなたを愛している という気持ちと、
あなたに変わってほしくない という願いは、
本当に同じものなのだろうか。
愛しているから、そばにいてほしい。
その気持ちはきっと嘘ではない。
けれど
愛しているから、ずっと私の知っているあなたでいてほしい。
愛しているから、私を選び続けてほしい。
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そう願い始めると、愛は少しずつ所有に近づいていく。
大切にすることと、変わらないように固定することは違う。
人は変わる。自分も変わる。
昨日好きだったものを、十年後にも好きでいる保証はない。
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すべては少しずつ動いている。
それなのに私たちは、変わり続ける世界に向かって、
「これだけは変わらないで」
と願ってしまう。
執着とはもしかすると、変化するものに、永遠であることを求めてしまう心なのかもしれない。
鳳条 暦
<< 2026年9月

































