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10/07 17:45
盤の上 二人は将棋をさす。 私はルールをよく知らない。どちらが強いのかも、今どちらが勝っているのかもわからない。わかるのは、駒を置く音と、その間の長い沈黙だけだ。 会話はない。それなのに、ちぐはぐな感じがまったくしない。男性が考え込めば少年は待ち、少年が長考すれば男性も待つ。急かす人がいない。二人の時間の流れ方が、ぴったり同じなのだ。 親子には見えない。祖父と孫でもなさそうだ。先生と生徒というほどの上下もない。友達と呼ぶには年が離れすぎている。 二人の関係に合う名前は、見つからなかった。そして、名前がないからこそ、あの空気があるのだと思う。 鳳条 暦
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10/07 09:45
名前のない2人 待つ人。 私がほぼ毎日通う場所には、いろいろな人がいる。毎日見ていると、それぞれの決まった席や決まった時間が、なんとなくわかってくる。 その中に、いつも誰かを待っている男性がいる。褐色の肌に、よれたシャツ。背筋はまっすぐなのに、首だけが直角に折れたように前へ傾いている。本も読まず、スマホも見ず、ただ盤の前に座っている。 少しすると、制服の少年がやってくる。銀縁の丸メガネに、ふわふわの天然パーマ。体に対して大きすぎる黒いリュックと水筒を抱えて、小走りで近づいてくる。 挨拶はない。少年は何も言わずに男性の正面に座る。男性も、顔を上げるだけだ。 それで、始まる。 ? 鳳条 暦
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